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『暗号教範』、『範部隊暗号特別規定(案)、他』 2冊組

¥ 88,000 税込

陸軍参謀本部編 1945 『暗号教範』はタイプ印刷の本文にガリ版印刷の付図・付表がついた300頁余の冊子体。簡易紐綴じされたボール紙の表紙には「暗號教範 水野少尉」と筆書あり。巻頭頁に「軍事極秘」の朱印と、部署責任者の検印であろう4個の認印。『範部隊暗号特別規定(案)、他』は「暗号教範総則及第一部抜粋」、「(同)第二部抜粋」、「昭和二十年度範部隊暗号運用計画案 範第三八二一部隊」、「範部隊暗号特別規定(案)」、「範部隊暗号特別規定(案)ノ参考」からなるガリ版印刷の約150頁冊子体。巻頭頁に「軍事極秘」の朱印(ただし色落ち)。両書とも朱線・書込みあり。経年による顕著な酸性劣化を専門業者に依頼して脱酸処理と修復作業済み。両書の内容と学術的価値を、元琉球大学教授(社会学)の保坂廣志はこう述べる。 旧日本軍は、昭和20年8月14日から15日にかけて陸軍大臣名で機密文書及び重要書類等の徹底焼却を命じた。これに伴い、国内外で暗号書を始め、乱数表、計算表が焼却され、在外日本軍に対する暗号書関係の尋問があっても一切返答してはならないと通達も出された。 日本敗戦の前に近衛師団に配属され、千葉県九十九里の防衛に当っていた一人の暗号将校が、どういう理由があったのかわからないが、 『暗号教範』を処分せず秘密のうちに原書を保存していた。のちに古書店を経て好事家に渡ったのが本書である。 『暗号教範』は、暗号業務に関わる者を対象に、暗号一般及びその使用法、さらに運用計画等について述べた教科書である。4数字暗号の組立、4桁乱数の加算方式の説明等が中心のため、昭和20年2月から使用が始まった『陸軍暗号書5号』と連動する昭和20年版の教範と考えられる。 昭和20年、範部隊(近衛第三師団)が独自に取り決めた『範部隊暗号特別規定』は、連合国の関東地区一円の上陸作戦を見越して、実戦において使用する暗号の扱いを決めたものであり、危機的状況下でいかに暗号戦を展開するかについて記した国内唯一の記録である。 『陸軍暗号書』等、国内では暗号書関連図書はほぼ完全に焼却処分された。よって本書は戦時資料としても第一級の記録であるのは間違いない。

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商品コード: 152107